公益財団法人 京都体育協会

第7回京都スポーツ写真コンクール入選作品の決定について

京都市体育協会では、スポーツに関連する写真を広く市民から公募することにより、身近なスポーツへの関心を高めるとともに、「みるスポーツ」としての楽しさを伝え、スポーツの普及・振興に寄与することを目的として、「京都スポーツ写真コンクール」を開催しています。ご応募いただいた作品をもとに、去る21日(水)に選考委員会を開催し、下記のとおり入選作品及び入選者を決定いたしました。

 

募集期間 平成28年7月7日(木)~平成29年1月29日(日)
応募作品総数 486枚
表彰式 日時:平成29年2月25日(土) 10:30~11:00
場所:京都市市民スポーツ会館 会議室
展示期間・場所 期間:平成29年2月24日(金)~平成29年3月21日(火)
場所:京都市市民スポーツ会館 1階ロビー
期間:平成29年3月22日(水)~平成29年3月31日(金)
場所:ゼスト御池<寺町広場>
受賞者一覧 こちらからご覧ください。

 

全体総評
選考委員長 宮野 正喜

2010年からスタートした京都スポーツ写真コンクールも今年で第7回を数え、過去最高の486点もの応募がありました。リオ五輪での日本選手の活躍、そして2020東京を控え、日本全体でのスポーツの盛り上がりの波が、京都でも起きて来たようです。

 さて、スポーツ写真を撮影する際には、スマホで撮るスナップ写真とは違い、その目的にあったカメラ機材の確保、そして扱う技術、必要な装備類、競技のルール等々、必要なモノ・知識が多岐に亘っています。今回の作品全体を審査したイメージからも、応募されている皆さんはいろいろな準備をして撮影に臨まれていることが良く分かり、プロにも負けない素晴らしい作品が数多くありました。審査員一同、この多くの作品を前にして活発な意見を出し合い、慎重な審査の中、結果は僅かな差での違いでした。

 作品全体を通しての印象は、撮った写真を客観的に見て、自分の思いがどうすれば伝わるか、表現できるか、そういった面での熟考と手直しの時間をもう少し持てば・・・と感じました。

 「する」「見る」そして「支える」スポーツの中でこの写真コンクールは「見る」「支える」という立場でこれからも大きな力になると確信しています。

また来年も、皆様にはこれまで以上の作品を目指してほしいと願います。

 

入賞作品

 

京都市長賞

「泥んこビーチフラッグ激走」 山下 文行

今回の応募の中で、この作品はシャッターチャンスと撮影ポジションの素晴らしさが群を抜いていました。
また、泥まじりの水しぶきが一粒々細かく飛び跳ねるリアルなイメージは、的確なシャッター速度の選択があってこそ表現できることであり、作者の高い撮影技術が伺われます。
構図においても、表情豊かにボールを奪い合う女性たちを正面から捉え、そしてその後方に応援する人々を配しその場の雰囲気も見せるなど、写真表現の細やかさとセンスの良さが光りました。

 

京都市体育協会会長賞

「勝った!!京都優勝」 山岸 浩治

大雪になった今年の全国女子駅伝。京都は3年ぶり16度目の優勝を飾りました。

マラソンのゴールシーンは、何と言ってもハイライトであり、この1枚で大会を表現できるぐらい大切なカットです。しかしながら良いカットを撮影するためには位置取りが最も大きな要素になりますが、現実的には、新聞・雑誌等の報道関係者のみが入れる場所とされ、一般のカメラマンが立ち入れないのが現実です。

そのようなハンディがあるにもかかわらず決定的シーンを観客スタンドから狙った意気込みが素晴らしく、選手のゴール姿も美しいシャッタータイミングでした。

 

京都市教育委員会教育長賞

「歓喜」 小巻 真司

タイトル通り、喜びを爆発させている選手の勢いが画面から飛び出てきそうです。

スポーツ写真は演出できるものではなく、プレーヤーが創り出す一瞬の表情・動きを切り撮るところに撮影の神髄があります。

ただ僅かな時間の中では風景や静物を撮るように、完璧な構図・レイアウトでシャッターが押せる場合は数少なく、最終的に作品へと進めるときにはトリミングをすることが必須となります。この作品もそのトリミングの巧さが、大きな喜びの表現に結びつきました。

 

京都市体育振興会連合会会長賞

「よ~いどん!」 山田 高士

地域の運動会。スポーツは楽しいもの、嬉しいもの、そしてちょっぴり緊張するもの、ということが素直に、ストレートに表現されており、自然と見る者を笑顔にしてくれます。暖かい作品です。

 

京都新聞賞

「ツリークライミングは最高」 白木 文枝

人と樹とロープの配置が絶妙で、多少の演出も感じられる程、画面構成が素晴しくまさに報道写真そのものです。

全体が見渡せる位置から撮らず、大木の真下から見上げてスケール感、遠近感を見せているところなど撮影前の推考が出来ています。

ただまとまりすぎているので面白さにかけるという点が残りました。もう少し広角のレンズでパースペクティブ(遠近感)を効かせ、下にいる人物がもう少し写ればより一層良い写真になったでしょう。

 

KBS京都賞

「天然のジェットコースター」 秋田 剛平

渓流で豪快にボートを漕いでいるシーンを流し撮りで見事に表現した作品です。

特にタグボートに乗っている人たちの中で、最も目を引く(一人だけヘルメットが白い)中央の女性の表情にピントをあわせ、流し撮りの中でその部分だけ画面が流れていない撮影テクニックは秀逸です。

またボート全体を画面やや右上に配し進行方向にスペースをあけた画面構成は巧く、ボートから流れ落ちる水しぶきのブレ加減と川岸の岩場が流れている景色などは、スピード感とスリル感満載でした。

 

朝日新聞社賞

「レースのご褒美」 林田 淳吾

近年、子供向けのトライアスロン大会が数多く開催されています。

夏休みに行われることから、子供達にはかなりハードなスポーツです。まさに真夏の日差しがいっぱいの中、レースを終え疲れてボーとした、火照った表情の女の子に「よくやった、お疲れさん!」などと声をかけながらみんなで水をかけるこのシーン、関係者にとっては当たり前のことだと思いますが、この作者はその絵の中に、タイトルのようなユーモラスさと、大人たちの子供に対する優しい眼差しを見つけました。競技を見せるのではなく、スポーツを通じての人との触れ合いを表現した秀作です。

 

エフエム京都賞

「華麗なるスプレー」 德本 晃一

サーフィンでスプレーを飛ばすシーンは数多く見られますが、この写真のように水がきれいな扇形に跳ね上がることは波の状況もさることながら、サーファーの技量が高くないとなかなかできないと聞いています。

何度も足を運びサーファーを観察して、チャンスを待ってこのカットを撮られた努力に拍手です。

欲を言えば、画面構成が説明的で作品として見たとき少しもの足りなさを感じます。波のウェーブを生かしたトリミングの工夫があればより強い作品になったでしょう。

 

京都サンガF.C.賞

「サ・ン・ガー」 岩田 康孝

「パパ、勝ったねぇ」という声が聞こえてきそうなワンショットです。 小さなサポーターの笑顔がとても可愛く素敵に撮れています。

 

京都ハンナリーズ賞

「Fade Away」 堀居 恭子

2016年度 京都バスケットボール競技を象徴するワンショットです。

プレーヤーの躍動感と、ゴールに対する気持ちが素直に伝わってくる作品です。バスケットボールの素晴らしさをこの作品を通じて多くの方に伝えていきたいと思います。

 

京都フローラ賞

「野球 試合始まるぞ」 久岡 直美

試合前の集合がかかる直前。メンバーにとっては「これから始まるんだ」という緊張感、高揚感の一番高まる瞬間でもあります。

その一瞬の一人一人の気持ちの伝わる一枚であったと思いますし、また、女の子が一人、男の子の中に混ざり、真剣に試合に臨む姿が印象的な一枚であると思います。

 

ミズノ賞

「素晴らしき身体能力」 拭石 学

力強いラグビー写真です。

一般的に球技の撮影ではスタンドなど高い場所からの写真は説明的になりやすく、迫力あるプレー写真は低い位置からのカメラポジションが有利です。しかしながら試合会場により、フィールド上での撮影は制約が多いため、どうしても高い位置からの撮影になってしまいます。

それ故、この写真のように迫力あるシーンを撮るときにはズームアップが一つの手法となり得ます。また高さを生かし違ったスポーツイメージとして、陰を使った写真も一考です。これからもいろいろなシーンにトライしてください。

 

京都市体育協会特別賞

「願い」 有本 匡宏

的に注ぐ20歳の真剣な目が印象的。黒の背景が人物を浮き立たせ、差し込む光が明るい未来を予感する。説明的でなくエッセンスだけでまとめたのが良かった。

 

京都市体育協会特別賞

「引っ張れ~」 稲木 茂忠

このファッションと相まって3人3様の表情に魅かれる。一生懸命綱を引いているのだがその一途さがどこかユーモラスだ。この3人だけに的を絞ったことで、この場の和やかさが強調された。

 

京都市体育協会特別賞

「二十歳の覚悟」 大家 正士

激しい雪の降りしきる中、遠くの的、否、進むべき目標に向かって狙いを定める。これからの困難を切り開いてゆく強い覚悟が画面から伝わってくる。今年の大雪をタイムリーにつかんだのも評価したい。

 

京都市体育協会特別賞

「迎撃」 大囿 周作

強烈なパンチが顔面に炸裂。しかめた表情がその激しさを伝える。シンプルな背景、アングルが的確だ。

又、赤いロープも効果的。無駄な要素がどこにもなく決定的瞬間を捉えたボクシングの秀作。

 

京都市体育協会特別賞

「タッチ」 神内 宏輝

車椅子マラソンの中、出会いの瞬間だろうか。二人の選手をフレームいっぱいに捉え、互いの検討を誓い、エールを送る表情を際立たせた。柔らかな日差しと共にほのぼのとした雰囲気が伝わってくる。。

 

京都市体育協会特別賞

「突破せよ」 田中 秀具

ラクロスの激しい攻防の瞬間をドラマチックに捉えた。色彩を廃したモノクロ表現が効果的で纏まりよく作者の力量を感じさせる。大変優れた作品だが、完成されすぎた故の隙のなさが一抹の不満として残る。

 

京都市体育協会特別賞

「野性の雄叫び」 服部 愼ノ介

普段の生活ではなかなか見せない本音の顔も、スポーツに夢中なときはなぜか素顔が見えてくる。これを掴むのがスポーツ写真の醍醐味だ。いかつい若者が力いっぱい綱を引く。フレーミングがよく、捉えた表情が愉快ながら頼もしい。

 

京都市体育協会特別賞

「トレイン」 堀出 明広

デジタルカメラは高性能化し一瞬の表情を捉えることがたやすくなり、そのような作品が多い中、この作者は流し撮りの手法でスピードスケートを見事作品化した。写真表現の巧みさとともに色彩感覚が上品だ。

 

京都市体育協会特別賞

「親友」 森 太一

連続する厩舎の窓から馬たちがそれぞれの表情で首を出すという非日常のシーンを奥行きのあるリズミカルなタッチで捉え、少し冷たい空間を女性と愛馬との触れ合いで動きと温かさを同居させた。

 

京都市体育協会特別賞

「女の子なのに!」 渡辺 隆夫

泥んこ遊びは子供の頃から皆大好きだ。皐月の田んぼで泥んこラグビーに興じる女性たち。この表情を見ているだけで、私たちを楽しく幸せにしてくれる。良い瞬間を捉えた。GO、GO! ! 女の子。

 

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