第10回京都スポーツ写真コンクール 入選作品公開!!
2019年11月1日から2020年1月20日まで作品募集を行った「第10回京都スポーツ写真コンクール」。
今回は180点の応募作品が集まりました。選考委員会による選考を経て、記念すべき第10回目の入選作品が決定しましたのでお知らせします。
今年度はサンサ右京と市民スポーツ会館の2か所で入選作品展を行い、たくさんの方に見に来ていただきました。迫力のある力作の数々をぜひご覧ください。
募集期間 |
2019年11月1日(金)~2020年1月20日(月) |
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応募作品総数 | 180点 |
表彰式 |
日時:2020年3月22日(日) 10:00~10:30 場所:京都市市民スポーツ会館 会議室 ※新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け中止いたしました |
入選作品展 |
(1)サンサ右京 期間:2020年2月29日(土)~3月9日(月) (京都市右京区太秦下刑部町12番地)
(2)市民スポーツ会館 期間:2020年3月11日(水)~3月30日(月) |
━ 講評 ━
東京2020オリンピック・パラリンピックまであと半年足らずとなりました。昨年はラグビーワールドカップの盛り上がりのなか、改めてスポーツの魅力に取りつかれた方も多くおられると思います。また今年は京都サンガのホームスタジアムが完成、京都のスポーツ界にも大きな影響を与えるトピックスになりました。来年のコンクールでは、この素晴らしいスタジアムでの熱戦、応援などの作品が応募されることは間違いなく、楽しみにしています。
さて、今年の応募作品全体を見たところ、レベルが高くなった半面、印象に残る作品が少なかったように感じました。皆さんの撮影技術も、表現内容も向上し、質がより平均化したことが一因だろうと考えています。また昨年同様に同じようなシーンが数多く出ることもなく、競技種目も増えバラエティに富んでいましたが、スポーツをする人の作品が多く、見る人、支える人を表現した作品が少なかったことは少しもの足りないと思いました。次回ではスポーツ全体を通した観点での作品作りも期待しています。
2020年2月28日
第10回京都スポーツ写真コンクール
選考委員長 宮野 正喜
京都市長賞
「空中戦」 大嶋 加津也
洛南と東山は高校バスケットボール界では常に全国トップクラスの戦績を誇る京都の名門です。その強豪同士のゴール下の競り合いを迫力あるシーンで捉えています。トリミングがいいですね。この写真の狙いは両選手の顔だと作者は考え、それをどのように切り取ればいいかと何度も検討されたことでしょう。またチーム名、ゴールネット、観客などの必要情報を最小限に入れ、視線が顔に向くよう仕向けた構図には高い表現力を感じ、撮影時のピントや解像度、現像過程での色調整などデジタルフォト技術全体に素晴しいと思います。
京都市スポーツ協会会長賞
「俺が決めるッ!」 熱田徹
シュートの瞬間を素晴らしいシャッターチャンスでおさえました。ハンドボールのルールや戦術、選手の動きなどよく知った上で撮影に臨んでいたことがよくわかります。先ずポジショニングが的確だったこと、選手の表情と真剣な眼差しが最高です。競技の技術面からもボールを持つ手の力のタメ具合がよく出ています。また、相手選手の入り方も偶然とは言え遠近感もあり、伸ばした手の重なり具合も効果的で、美しいシュートフォームが強調されました。
京都市教育長賞
「突きの一刀」 小和泉 春男
剣道の判定は大変難しいと聞きますが、このシーンは気勢、姿勢、打突部など全てにおいて素晴しいと思います。選手の美しい姿というのはあらゆるスポーツにおいて無理な姿勢ではなく、流れるようなリズム、そして無駄のない、凛とした表情など共通しています。この場面も何もしらない剣道の門外漢でも「いいね」を出してしまいます。
京都市体育振興会連合会 会長賞
「勝利への跳躍」 水谷 敏彦
縄を回す人、飛ぶ人が一体となって、懸命に、そして楽しんでいる一瞬をとらえた素晴らしい作品です。大会に向けて、何度も稽古をされた光景が目に浮かびます。
京都新聞賞
「若き勇者」 西 正幸
すごい迫力です。トリミングをしっかりと考え、これがベストになったことと思います。人馬に当たる日差しを考えたカメラポジションの選択が大変良く、白馬の力強さ、赤い衣装、色彩のコントラストも鮮やかなど、構成力と撮影技術が秀逸です。そして白馬にまたがる若者の表情がタイトル通りのイメージで、時代を越えて見る者を共感させます。
KBS京都賞
「ゴールテープは俺が切る!」 林田 淳吾
最後の競り合い、力を振り絞ってゴールに向かっている選手の気持ちが伝わってきます。画面構成が上手いですね。ゴールテープの大会タイトル名でこの写真の内容を一見で表し、二人のラストスパート、観客の視線などで周りをおさえた広報的な狙いは成功しています。
朝日新聞社賞
「緊張の一瞬!」 河野 實
スラィディングした選手、先に生還した選手、そしてキャッチャーがアンパイアの判定を固唾をのんで待っている一瞬の静寂を上手く切り撮りました。4人の視線がそれぞれの思いに繋がっている点が大変面白く、この後の結果による観客の歓声、ため息が聞こえてきそうです。カラーでなくモノクロで表現することでより緊張感が出たように思います。
エフエム京都賞
「やったー!」 桂 伸也
タイトル通り、表情が生き生きとして、これ以上ない喜びの大きさがよく出ています。この少女のこれまでの一生懸命努力した結果が実ったことだと思います、爽やかなガッツポーズの自然さが何よりも清々しく示しています。
京都サンガF.C.賞
「攻守」 徳本 晃一
未来のJリーガーを目指す少年達、ボールの激しい奪い合いは大人顔負けです。会場の場所にもよりますが、出来れば背景に車などが写らない撮影ポジションで、もう少し選手のアップがほしいところです。この体勢から見ると右のドリブルしている選手は左足が伸びきっているため、左の選手のタックルが決まったようですね。
京都ハンナリーズ賞
「みんなのスポーツフェスタでシュート!」 近藤 美佳
市民スポーツの普及を目的に西京極総合運動公園に設置されたバスケットゴールに子供たちがバスケットボールの楽しさに触れ、一人でも多くの子供がBリーグプレーヤーを夢見てもらえることに期待します。バスケットボールは楽しいよ!
京都フローラ賞
「タッチ!アウト!」 三宅 憲二
一瞬の2人の表情がより豊かに表れている良い写真となっています。スライディングの躍動感も出ており、アウトかセーフかどちらなのか見る人にも考えさせられる一枚となっています。
ミズノ賞
「仲間~みんなで繋いだリレーマラソン~」 齋藤 由香
みんな仲良くゴールする微笑ましいシーンですね。キッズのリレーマラソン、5人の子供たちの顔が、青空と雲、ゴールアーチの赤色の対比と合わせ、より一層楽しく、そしてカラフルに見え印象的でした。
J:COM 京都みやびじょん賞
「平安神宮前でバスケ」 山下 文行
平安神宮参道で行われた3人制プロバスケットボールの公式戦、体育館のコートではないシュチエーションに写欲が湧いたと思います。応手門をバックにゴールネットとシュートの競り合いをシンメトリーで表現した構成は良かったと思います。敢えて言えば画面を少しトリミングしすぎた感が否めません。このシーンでは競り合いの妙よりも、意外な場所だという驚きを見せることも一考です。
京都市スポーツ協会特別賞
「集中」 阿武 優佑
球を凝視する眼、反射したラケットのラバー、サーブする選手の緊張感が伝わってきます。このシーンを撮るには、卓球台に近い場所に入り、望遠レンズを駆使していかないと撮れません。作者の撮影前の絵作りと、経験あるカメラワークが光ります。狙い通りの絵が撮れたと思います。
京都市スポーツ協会特別賞
「激(げき)」 今西 唯夫
世界で2000年の歴史を持つニュースポーツといわれるドラゴンボート。橋の上から撮ったシーン、いいアングルですね。大声で檄を飛ばすのは太鼓手、声に合わせた一糸乱れぬ漕ぎ手の動きがよく表現されています。ピーカンの日差しが力強さをより一層高めました。
京都市スポーツ協会特別賞
「ラストスパート」 岡本 聖
大胆なトリミングで全体に強い印象となりました。敢えて中央の選手にピントが合ったカットではなく、右側のスポットライトが当たったような赤いレーススーツの選手に焦点を当てたカットをセレクト、トリミングで画面構成をした絵作りがよかったと思います。
京都市スポーツ協会特別賞
「ステップ鮮やか」 小倉 正紀
お母さんなのか兄弟なのかわかりませんが、無我夢中でボールを追いかけるこのスポーツ(遊び)は泥んこになっているからこそできる醍醐味があるのでしょう。世代を越えて楽しめるどろんこラグビーの面白さが画面から伝わってきます。
京都市スポーツ協会特別賞
「清流満喫」 塩見 芳隆
夏の清流下り、ボートに跳ねる水しぶきがスピード感と清涼感を出しています。ややブレ気味の画面になったことでこの場面に動きが生まれました。逆光のため人物の顔がやや暗くなりましたが、若者達の思い思いの表情が面白く、いい写真になりました。
京都市スポーツ協会特別賞
「負けるもんか!」 田中 雅之
同体で倒れ込んだのか、勝敗がわからないほど白熱した戦いだったのでしょう、行司の表情も判定を逡巡しているようにも見えます。試合会場の雰囲気も良く出ていて女子相撲が盛んなことが伺われます。欲を言えば両選手の顔の表情をもう少し見たかったと思います。
京都市スポーツ協会特別賞
「逆転優勝」 山岸 浩治
ゴールインの瞬間を撮影することは簡単なようで大変難しく、ランナーの眼がひらいている、ゼッケン情報が写っている、テープとランナーが離れすぎないなど条件をあげればあげるほど難易度は高くなります。第38回全国女子駅伝、優勝した京都のアンカーの一山選手を正面から撮影した高い技量は素晴らしいと思います。