第12回京都スポーツ写真コンクール 入選作品公開!!
入選作品公開!!
京都市スポーツ協会では、京都のスポーツに関する写真を広く市民の皆様から公募することにより、身近なスポーツへの関心を高めるとともに、「みるスポーツ」としての楽しさを伝え、スポーツの普及・振興に寄与することを目的として、毎年「京都スポーツ写真コンクール」を開催しています。
2021年11月1日から2022年1月24日まで作品募集を行った「第12回京都スポーツ写真コンクール」。
今回は214点の応募作品が集まりました。選考委員会による選考を経て、記念すべき第12回目の入選作品が決定し
左京区役所、京都市市民スポーツ会館、サンサ右京の3か所で入選作品展を行い、たくさんの方に見に来ていただきました。
スポーツの感動、迫力、魅力が伝わる作品(全30点)を公開いたします。
迫力のある力作の数々をぜひご覧ください。
募集期間 |
2021年11月1日(月)~2022年1月24日(月) |
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応募作品総数 | 214点 |
表彰式 |
2022年3月21(月祝)10時~ 京都市市民スポーツ会館 |
入選作品展 (終了いたしました) |
①期間:2022年3月8日(火)~3月13日(日)
②期間:2022年3月15日(火)~3月21日(月祝)
⓷期間:2022年3月23日(水)~3月30日(水) |
━ 講評 ━
はじめに、今年度入賞されました皆様方にお祝いを申し上げます。また今回、初めて市長賞が2年連続で同じ方の作品が選ばれました。作者に対し日頃の撮影努力の賜物と重ねてお祝いをさせていただきます。
さて、この2年、スポーツ界ではコロナ禍の影響が大変大きく、1年延期となった東京オリンピックをはじめ、多くの競技大会が中止、延期、無観客という状況が続きました。このコンクールにおいても、撮影機会が大きく減ったことで作者のカメラ技術や作品制作の質的向上が図れない事態が続き、結果的には応募作品の内容に大きく影響していたと感じています。しかしながら出品点数においては昨年とほぼ同じ214点の応募があり、皆様のスポーツ写真撮影に対する熱意は変わっていないことがわかり大変嬉しく思いました。
今年に入りまた新たなコロナ情勢下ではありますが、京都サンガのJ1スタートや多くの競技はこれまで以上の話題と活躍が期待されます。それに伴って撮影機会も徐々にですが増えていくことと思いますので、皆様もまた新たな気持ちで作品作りに励まれることを願っています。
2022年2月25日
第12回京都スポーツ写真コンクール
選考委員長 宮野 正喜
京都市長賞
「勝機」 武田 仁宏
北京五輪でも話題となった種目であるスケートショートトラックの一コマ。ハイスピードで動いている選手の集団カットはこの競技ならではのハイライトシーンです。特にスケート靴のエッジが氷の上を削るように滑っていくところがシャープに見え、この競技の特徴も出ました。シャッターのタイミングやピントなど撮影技術の高さと、望遠レンズで速い動きを的確に捉えた秀逸なカメラワークが光ります。2年連続の市長賞、おめでとうございます。
京都市スポーツ協会会長賞
「現役」 大嶋 加津也
タックルの瞬間のタイミングをとらえ、一人ひとりの生き生きとした表情が印象的です。
たとえ往年のキレがなくなっても、プレーへのひたむきさとスポーツを楽しむ雰囲気が伝わってくるすばらしい作品です。
京都市教育長賞
「ゴォール!」 小巻 真司
サッカーのゴールシーンとして素晴しいカットです。特に報道関係で使用する場合、このカットに伝えたい情報が全て入っています。ボール、ゴールポスト、相手GKとDFプレーヤー、そして何より決めた選手の両手を広げて喜びを爆発させている最高の笑顔、もう言うことがありません。プロでもこんなシーンはなかなか撮れません。ポジョニングの幸運もありますが、やはりカメラ技術とこの場面を撮ろうとした執念が実りました。
京都市体育振興会連合会 会長賞
「ナイスパス」 林 徹
ひとつのボールに集中し、「次は頼むよ」、「しっかりとるぞ」、「後はまかせろ」と心をかよわせラグビーを楽しむ姿をとらえた素晴らしい作品です。
京都新聞賞
「都大路に感動をありがとう!!」 平田 良夫
福士選手の都大路でのラストラン。多くのカメラマンが彼女の走りを撮るために今年の都道府県対抗女子駅伝へ出向かれたと思います。青森のアンカーとして28位のゴールでしたが「お疲れさまでした」と多分、作者も呟きながらシャッターを切られたことでしょう。円町の交差点を少し下がったやや上り坂の地点、事前に下見をされていたのか、絶妙な撮影ポイントです。画面構成が緻密で、パトカーが入った偶然はこの努力の賜物と思います。
KBS京都賞
「縦横無尽」 田山 博憲
ダブルダッチは、ロープ2本と3人以上が集まれば老若男女誰でも気軽に楽しめるスポーツですが、かなり激しい動きもみられます。この場面、早い動きの中で、3人それぞれのポーズや表情がユーモラスです。
特に真ん中の人物の顔がタイミングよくボールで隠れ、両手のしぐさと相まって、何者? と凝視してしまいます。また右の人物顔と跳び姿も面白く、シャッターチャンスが生きた作品になりました。
朝日新聞社賞
「いざ!」 今西 唯夫
全てに洗練された写真です。演舞している会場がこのようなスポット照明になっていたのかわかりませんが、体育館内の様々なものが背景に写り込まないような画面処理はこの作品の印象を大きく高めています。また剣士二人の一瞬の動きをうまく捉えた構図からは、緊張感が溢れ、凛とした厳しさが伝わってきます。背景を暗く落としたテクニック、モノクロでの表現力、見せるべきところはしっかりと見せるなど、作者の作品作りの姿勢は素晴らしい。
エフエム京都賞
「執念のシュート」 熱田 徹
ハンドボールの試合ではやはり飛び上がってのシュートシーンが撮影のポイントになるでしょう。シュートの写真としてはやや俯瞰撮影ですが、小柄な小学生同士なので表情などもよく見え、振り乱した髪とともに「入れるぞ」といった大人顔負けの執念と勢いが溢れています。いいタイミングでシュートシーンを捉えました。ただ右上の選手に動きがないため、画面全体のスピード感が損なわれている感があり、トリミングでの再考があればと思いました。
京都サンガF.C.賞
「歓喜のゴール」 河野 實
ゴールネットが揺れた瞬間。ネット越しに喜びと悔しさがよく伝わってくる作品です。
未来のJリーガーを目指してがんばってください。
京都ハンナリーズ賞
「闘志」 吉田 颯真
三人の敵プレイヤーに囲まれながらも「自分で決める」という強い意志を感じることができます。この強い意志がチームを盛り上げ、勝利につながるのではないでしょうか。コロナ禍の中、様々な方の協力のもと試合できることについても感謝したいですね。
ミズノ賞
「泥試合」 渡辺 隆夫
ラグビーではおなじみの泥にまみれた攻防シーン。顔は見せずにボールと手足だけの画面構成ですが、力強く激しい熱気が感じられます。最近の試合では人工芝グランドも多くなり、このような光景はあまり見かけなくなってきましたが、こういった泥にまみれたゲームを見るのも一つの醍醐味でしょう。プレーしている選手には申し訳ないですが大変撮りがいのある被写体です。
J:COM 京都みやびじょん賞
「わあ~こわい」 白木 文枝
タイトルは「わぁ~こわい」ですが、画面からは真っ先に楽しそうな子供の表情が印象に残ります。望遠レンズでの子供のアップ撮影のようですが、アングルを低く、やや引き気味で背景に何か周りの状況が分かるような人やモノなりが入っていれば、より「こわさ」も表現できたと思います。ただ作品としてウインタースポーツの楽しさ、面白さは十分伝わってきます。
ワールドマスターズゲームズ賞
「連携プレー」 居原田 晃嘉
鮮やかな朱色のライフジャケットが水面に写り込んでいる光景は大変印象的で、ドラゴンボートの赤の鱗模様も眼に残ります。舵取りのいい表情とは反対に、日差しが強かったためか、漕手がみんな帽子を被っていたので頑張っている表情が読み取れなかったのが少し残念です。岸辺でのんびりと見物している人たちと、レースに必死のメンバーとの対比がもっと表現できていれば作品としてのレベルアップにつながりました。
京都市スポーツ協会特別賞
「コロナもゲームセットへと」 石川 毅
コロナ禍での無観客試合、スタンドには人はなく、試合終了後にはフィールドにも選手はいないという異常事態。早く収束してほしいと願うばかりです。そんな気持ちを作者は整列した審判団の礼儀正しい行為に思いを託したと感じています。一見見逃しがちなワンシーンを違った視線で作品に仕上げた細やかな感性に拍手を送ります。
京都市スポーツ協会特別賞
「闘球心」 木曽 優美
タックルした足は絶対離さないというぐらい両手でしっかりと倒れながら掴んでいる選手、倒れる前に味方にパスをつなぐ選手、ボールを受け取ろうとしている選手。3人とも必死のプレーで、ラグビーのいいプレーシーンです。ただシャッター速度が早かったので、動きが止まっているような見え方になっていて、スピード感にやや欠けるイメージです。今よりシャッター速度を落とし、タックルを受けている選手がもう少し前に倒れ込む瞬間が撮れていれば、より優れたラグビー写真になりました。
京都市スポーツ協会特別賞
「激突」 竹田 忠雄
田んぼでの運動会でしょうか? 泥の中での女性陣が見せる激しいリンゴの奪い合いは意外性が見える面白い撮影対象の一つです。あと僅かで手が届く寸前のシャッターチャンスが見事です。少しトリミングしすぎた感がありますが、作者は泥のハネと表情を出来るだけアップで表現したかったのでしょう。出来ればもう少しローアングルから撮れば激突感はアップしたと思います。
京都市スポーツ協会特別賞
「Awsome!(オーサム!)」 田中 雅之
動きが早く、滑るコースも読み難く、選手をカメラで追いかけるのが難しい競技です。撮影では選手が空中で回転する一瞬のタイミングが一つのポイントです。この写真はタイミング的には良かったですが、撮影アングルが高く、背景が映り込みすぎていることもあり、アクロバチックな動きの表現が弱くなってしまいました。低いアングルから空に向かって撮れるような場所があればいいですが、会場によっては撮影場所が限定されますので背景とのバランスの工夫が必要でしょう。
京都市スポーツ協会特別賞
「静かなる出陣=いざ都大路へ」 西田 俊博
昨年の全国高校駅伝、たけびしスタジアム京都。早朝の静かな会場の様子とスタート前の緊張感をうまく表現できました。朝日を逆光にして選手をシルエットで捉えたこと、芝生の上に照明塔の影が長く伸びている様などで一層雰囲気が高まりました。ただ画面全体に、広い競技場がちょっと詰まったように見えるので、より広角のレンズを使用して、選手の影を切らずにスタンドまで入れると緊張感はもっと高まったと思います。
京都市スポーツ協会特別賞
「駈け馬神事」 深井 征子
本格的なAF一眼レフカメラが出現して37年近く、アマチュアカメラマンにとってそれまでプロの領域だったスポーツ写真を撮ることが年々身近になりました。この作品を見た時、カメラ性能のアップはもちろんですが、使いこなすカメラマンの技量も大きく進歩している現実を改めて知ることになりました。ブレを計算したシャッタースピード、疾走する馬の乗子の顔にピッタリ合わせた1ショットに、作者の撮影技術の高さと絵作りの素晴らしさを知り感服しました。
京都市スポーツ協会特別賞
「笑顔のターザン」 森本 卓也
ズームレンズを使った作品例のような写真です。タイトルが先か、被写体が先かわかりませんが、放射状に流れる背景はターザンが蔓を使って密林を移動する動きをうまく表現できています。また子供の笑顔とポーズも自然で、まさに「笑顔のターザン」そのものです。撮影技術も確かで、上手い作品作りだと思います。ただ子供の表情が逆光でやや暗いため、作品の価値を損なっています。画像処理で少し明るくしてもらえば子供にとって最高の写真になりました。