第13回京都スポーツ写真コンクール 入選作品公開!!
入選作品公開!!
京都市スポーツ協会では、京都のスポーツに関する写真を広く市民の皆様から公募することにより、身近なスポーツへの関心を高めるとともに、「みるスポーツ」としての楽しさを伝え、スポーツの普及・振興に寄与することを目的として、毎年「京都スポーツ写真コンクール」を開催しています。
2022年11月21日から2023年2月10日まで作品募集を行った「第13回京都スポーツ写真コンクール」。
今回は217点の応募作品が集まりました。選考委員会による選考を経て、第13回目の入選作品が決定し
京都市市民スポーツ会館で入選作品展を行い、たくさんの方に見に来ていただきました。
スポーツの感動、迫力、魅力が伝わる作品(全20点)を公開いたします。
迫力のある力作の数々をぜひご覧ください。
募集期間 |
2022年11月21日(月)~2023年2月10日(金) |
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応募作品総数 | 217点 |
入選作品展 (終了いたしました) |
期間:2023年3月11日(土)~3月30日(木) 場所:京都市市民スポーツ会館 1階ロビー |
━ 講評 ━
ここ3年近くにわたるコロナ禍によるスポーツ界への影響は、2020東京五輪の1年延期や数々の無観客試合など、計り知れないほどの大きな傷あとを残しました。しかしながら今年度に入りようやく各種大会などが以前のような形で開催され、このコンクール出展に向けて皆さんも撮影機会が大きく増えたことと思います。
この長い期間、閉ざされた撮影への想いが作品作りに反映したのかどうかわかりませんが、今回ほど作品レベルが拮抗していて選考が大変難しかった年はありませんでした。応募点数は217点と例年とほぼ同じぐらいでしたが、半数近くは、佳作もしくはそれ以上の作品レベルにありました。そのため選考委員の票が割れ、その中から入賞20点、佳作10点を選ぶことになり、同レベルの多くの作品が僅かな違いで残念ながら選外となりましたことをお伝えしておきたいと思います。
さて、作品についての全体的な印象は、以前にも書かせていただきましたが、仕上げ段階での作者のより深い取り組みの差に違いが出ていたと感じました。具体的には逆光や色調が単調な絵柄などの場合はデシダル処理での濃度・彩度といった色調の調整作業、またテーマに沿った表現に対するトリミングが適切かどうかの見直しなどです。皆様におかれては、これまで以上に出品する前の、自身による客観的な判断力を高めることが入選への大きなポイントになるでしょう。
全てがデジタル撮影になっている現在、作品作りには、撮影とデータ作業の作品制作に占める割合は半々ぐらいになっていると言っても過言ではありません。皆様の今後のより良い作品作りに少しでも生かせてもらえれば幸いです。
2023年3月6日
第13回京都スポーツ写真コンクール
選考委員長 宮野 正喜
京都市長賞
「夏の醍醐味」 塩見 芳隆
水と岩の無機質な色調の中、赤いオールがバランスよく交差し、激しく、早い動きの中のワンシーンでありながら、一瞬のシャッターチャンスの中でこれほどうまくまとまった構図が撮れたのは数多くのトライの賜物でしょう。おそらくこの撮影場所はこれまで何度も訪れ、ボートが揺れて水飛沫が舞い上がるタイミングなど熟知した上でのショットだったと察します。技術的にみても水滴が流れない早いシャッタースピードの選択、背景の岩肌を適度にぼかす絞りの設定など、手慣れたカメラワークが見て取れます。加えて赤いヘルメットの女性の笑顔と、オールをもつポーズが自然で大変印象に残りました。スポーツ写真はなかなか計算通りに撮れるものではありませんが、撮影場所の選択、動きの予測、そして冷静にシャッターチャンスを狙うというプロセスが何よりも良い写真を撮る方法です。この作品はまさにその典型的なカットになりました。
京都市スポーツ協会会長賞
「競い合い」 佐野 敏之
たけびしスタジアム京都の素晴らしいトラックで、横一線に並んだ選手がハードルを越えていく瞬間。鍛えられた跳躍はまるで連続写真のように重なり、真剣な眼差しからは緊張感が伝わってきます。集中した選手たちの躍動感や陸上競技のスピード感がダイナミックに捉えられた作品です。
京都市教育長賞
「水浴びでクールダウン」 前野 比登志
ラグビースクールの子供たち、休憩タイムに指導するコーチなのか、二人がバケツで水をかけるという一瞬を狙った一コマ。汗びっしょりで早く水浴びしたい気持ちが子供たちの表情に溢れています。この一瞬を狙っていたのか、たまたまこのシーンに出くわしたのかわかりませんが、1回あるかないかのシャッターチャンスをうまく捉えていて、スナップ写真を撮る高い感性が伺われます。それぞれの子供たちの仕草と笑顔が自然で可愛らしく、写真を眺めながらこちらも思わず笑顔になりました。また指導者とみられる若者と子供たちとの間にある信頼関係のようなものまでこの写真から見えてきます。無理を承知で言えば、背景がもう少し整理できていれば最高でした。
京都市体育振興会連合会 会長賞
「初めての徒競走」 石川 慎悟
「よ〜いドン!」、「さあ、行くぞ!」、「次は私だ・・」 両手を大きく広げ喜びいっぱいに飛び出す子、ちょっぴり不安そうに出番を 待つ子たち、そして微笑み見つめる保育士さん。今にも「がんばれー!」と聞 こえてきそうな何とも初々しく瑞々しい1葉。 ふっくらほっぺの子どもたちのはつらつとした姿が、子どもの純真さ、遠い昔 みんなでがんばったあの日、無事に走ってとわが子を見守ったあの頃といっ た、見る人にほんのりした思いを感じさせる作品ではないでしょうか。
京都新聞賞
「弾ける笑顔たち」 小巻 真司
スポーツ写真に勝者と敗者、喜びと悔しさのシーンは欠かせません。その中でも今回の野球の喜びのシーンはまた一味違う良さがあります。一般的によく撮られるのはスタンドからの俯瞰となり、どうしても気持ちの伝わり方が説明的になってしまいます。同じ目線で捉えたこのカットは選手の気持ちがストレートに伝わり、臨場感が大きく変ります。撮影ポジションが秀作に結びつきました。
KBS京都賞
「高校駅伝」 澤野 裕之
望遠レンズの「圧縮効果」を上手く使ったショットです。具体的には選手と白バイと報道用バスが同じ様な大きさになるため、遠近感がなくなり、人間の目では体感出来ない写真ならではの表現になっています。また選手の真剣な表情とバックの白バイが画面に緊張感を与え、報道写真としても秀逸です。ロードで、このようなランナーの正面から撮影できる場所は限られているため、ロケハンの努力もあったのではないかと推測しています。
朝日新聞社賞
「喜」 中川 武彦
ラクロスで得点をした後の喜びのシーン。マウスピースも飛び出しそうなこれ以上の喜び様はないぐらいの表情が印象的です。左膝頭のテーピングが痛々しいですか、痛みなんかは吹っ飛んでいったような感じです。爆発したような喜びの勢いに皆さんの共感を呼んだことが入賞に繋がったと思います。
エフエム京都賞
「影も戯れる」 大嶋 加津也
美しいスポーツコートに写り込む影を生かし、スポーツ写真をグラフィックアートとして表現しようとした作者の狙いは成功したと思います。バスケットボールの激しい動きの中での影の重なり具合をバランスよく撮影するのはかなりの経験が必要で、特に動体視力と瞬時の反応が要求されます。数多くのショットからセレクトされた1枚、おしゃれなスポーツ写真になりました。
京都サンガF.C.賞
「家族でサッカー」 堀 祐子
ボールが一つあればどこでもみんなで楽しむことができる。 そんなサッカーの良さを現した一枚。 撮影された方の温かく見守るまなざしが感じられる写真です。
京都ハンナリーズ賞
「ハンナリーズ公式戦 前座試合」 三好 圭佑
一心にリングを見つめながらシュートを放つ、躍動感あるれるその姿に京都バスケットボール界の明るい未来を感じます。 京都ハンナリーズは、これからも子ども達が夢中に且つ楽しくバスケットボールに打ち込める環境づくりに努めて参ります。
ミズノ賞
「私は最強」 所 衣里
ジュニア野球チームの女子選手、ファーストミットから一塁手と思われます。勝利の瞬間なのか、この女子選手はチームのなかでも素晴らしい活躍をしたのでしょう。手前の男子選手の笑顔も素晴らしく、同じ喜びを共有しているチームの一体感が読み取れます。画面左からくる光線状態で背景がやや暗くなったこともこの場面では効果的でした。
J:COM 京都みやびじょん賞
「どろんこラグビー」 荒木 孝允
男女がお見合いのような形でボールを奪い合う、その周りでことの行方を見ている仲間達。突っ立っている人、休んでいる人、審判の人とそれぞれの表情とポーズが面白く、一瞬のワンシーンでありながらまとまった構図に仕上げた力量は素晴らしいです。また作者の狙いとはちょっと違って何となくユーモラスに見えることも計算外のプラスαになりました。
ワールドマスターズゲームズ賞
「今も現役ラガー」 神内 宏輝
高齢化と共に日本のあらゆるスポーツシーンではマスターズの大会が活況を呈しています。そのなかでもラグビーのマスターズの歴史は古く、2027年に延期となったワールドマスタースズゲーム関西での活躍が期待されます。 さて、パスボールの受け損ないなのか、気持ちが先走ってボールが手につきません。このあと「若い頃なら取れたのに〜」と言ったボヤキが聞こえてくるようです。マスターズならではのカットですね。
京都市スポーツ協会特別賞
「流鏑馬」 居原田 晃嘉
弓を引く武士をシルエット風に表現したシンメトリーな構図が力強く、大変印象深い作品です。美しい新緑の流鏑馬も観たいところですが、モノクロで仕上げた作者の意図がよく表現されました。欲をいえばもう少し絞りが浅く、背景のボケが大きければより良い作品となったでしょう。
京都市スポーツ協会特別賞
「鍛錬」 城田 祥男
空手の対戦シーンを影絵のような表現に挑戦した作品づくりの姿勢に拍手です。この種の撮影においては、夕景の色調と人物をシルエットにする撮影時刻の選択が最も難しく、目で見ているイメージ通りにはならない点をよく理解しておく必要があります。作品は撮影技術レベルも高く、一見プロの仕事のように見えますが、2人のポーズがやや不自然に見えなくもなく、手足が多少ブレるぐらいの思い切った動きのあるシーンでも良かったと思います。
京都市スポーツ協会特別賞
「ダイビングトライ」 為平 晃敏
田んぼを鏡に見立てて撮影したなかなか考えられた写真です。どろんこラグビーを撮影しに行った時、現場で閃いたシーンなのでしょうか? いずれにしても表現にセンスの良さがあり面白い作品になりました。また画面下半分のディテールがもう少し出ていればより以上の印象アップになったでしょう。私案ですが、展示する等の際には反時計回りに90度回転した形にすることも一興だと思います。
京都市スポーツ協会特別賞
「一意奮闘」 田山 博憲
これぞスポーツ写真といった趣です。トリミングで切り詰めた感はありますが、陸上短距離走スタートの一瞬を上手く捉えた作品です。ただ流れるような美しい選手の動きを奥のバケツの存在が消してしました。作者も当然ながら気になっていたと思いますが動かす訳にもいかず、仕方なくシャッターを切られたことと察します。最も良い撮影ポジションだけに残念ですが、観客スタンドから撮る場合の限界が見えます。
京都市スポーツ協会特別賞
「宅配リレー」 長谷川 顕史
いろんな形の荷物を持って走る宅配リレー。学区内の運動会なのか、ご近所の皆さんの笑顔が微笑ましく、和やかな雰囲気がいいですね。勝敗など関係なく、体を動かす楽しさと喜びが満ちています。
京都市スポーツ協会特別賞
「絆」 長谷川 悟
顔が見えない後ろ姿で表現したイメージ作りが大変良かったと思います。結果的にランナー同士の強い信頼関係を強調できました。視線が必然的にGuideの文字ときずな(伴走ロープ)に向かうため、説明的ではありますが、この場面では効果的で、障害者スポーツの広報用のイメージ写真のようです。
京都市スポーツ協会特別賞
「太極拳を楽しむ」 深井 賢二
桜の名所である淀川河川公園の背割堤。春の日差しと満開の桜の下で行う太極拳はさぞかし気持の良いことでしょう。幾つになっても皆と体を動かしながら楽しむスポーツの良さを再認識するような写真です。桜の花をきれいに見せるため、やや反逆光になる時間帯で撮影していますが、人物の顔が暗くなってしまったのが少し残念です。