第6回京都スポーツ写真コンクール入選作品の決定について
京都市体育協会では、今年もスポーツに関連する写真を広く市民から公募することにより、身近なスポーツへの関心を高めるとともに、「みるスポーツ」としての楽しさを伝え、スポーツの普及・振興に寄与することを目的として、「京都スポーツ写真コンクール」を開催いたしました。 ご応募いただいた作品をもとに、去る2月3日(水)に選考委員会を開催し、下記のとおり入選作品及び受賞者を決定いたしました。
募集期間 | 平成27年8月31日(月)~平成28年1月31日(日) |
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応募作品総数 | 332枚 |
表彰式 | 日時:平成28年2月28日(日) 10:30~11:00 場所:京都市市民スポーツ会館 会議室 |
展示期間・場所 | 期間:平成28年2月25日(木)~平成28年3月20日(日) 場所:京都市市民スポーツ会館 期間:平成28年3月21日(月・祝)~平成28年3月31日(木) 場所:ゼスト御池<市役所前広場> |
受賞者一覧 | こちらからご覧ください。 |
講評
選考委員長 神崎順一
近くのグラウンドでは小さなラガーたちが五郎丸選手のポーズを真似ています。
オリンピック予選ではサンガ出身の選手が大活躍。
市内を疾走する全国の選手に熱い声援を送った年末年始。
人気の京都マラソンはすっかり定着し、参加の友人知人を応援する楽しみも増えました。
鴨川の河川敷では朝早くからウォーキングやラジオ体操する多くの人に出会います。
健康都市を標榜する京都市にはいたるところでスポーツがあふれています。
このような日常風景を背景に第6回京都スポーツ写真コンクールにはおかげさまで過去最高の応募者数で332点の作品が集まり、多くの種目・視点の作品が寄せられました。
瞬間を無駄なく美しくとらえたもの、ほのぼのとしたものと多彩で、いずれの作品もそれぞれの感性が生かされスポーツの持ついろいろな表情が込められていました。
多くの力作を前に、審査員一同緊張感を持ち以前にも増して活発な討論を重ねながら、慎重に審査させていただきました。
いま少し画面整理ができていれば、いま少しタイミングを前後すれば、と言った僅差が結果になりました。
今後とも楽しみながら新しい表現にチャレンジしていただければと思います。
入賞作品
京都市長賞
「京大 明日へのダッシュ!」 田中 秀具
ラクロスは地上最速の格闘球技と呼ばれるように、ボールを絡めたチャンスはほんの一瞬しかありません。
ゴールに向かうアタッカーの姿、表情、スティックに入ったボール位置、ボケを生かしたディフェンスとのバランスのよさ等は言うまでもなく、アングルやレンズの選択など経験に裏付けられた力量が感じられ完成度の高い作品になりました。
ナイトゲームをモノクロで表現した選択もドラマチックな情景をかもし出していると思います。
京都市体育協会会長賞
「大空に舞う」 白木 文枝
青空に白い雲がまぶしい強い日差しの下、はじけるような若さが大空に舞う。
ブルーベースの画面と強いコントラストがさわやかです。
少し低め視点で背景を単純化しチェアガールを空に浮かべたアングルの選択やグループのポジションの良さが遠近感を生み出しています。
空に飛び出す選手の姿は空間を自由に泳いでいるような感じさえ受ける楽しくダイナミックな表現になりました。
京都市教育委員会教育長賞
「歓喜のゴール」 飯田 祐子
小学校の運動会での一コマ。笑顔一杯でゴールをぬけるトップランナー、その後に続く子供たちの表情が実に素直で、とてもかわいく三人三様の良い瞬間を的確にとらえられたと思います。
ハイキーに仕上げられていますがその場の雰囲気にマッチし、さらに背景がわずらわしくなくなりました。
撮れそうでいてなかなか撮れない1枚です。作者のポジション選び、シャッター感覚に脱帽。
京都市体育振興会連合会会長賞
「アベック」 本田 紗基
「あ~っ しんど!」でも、「やったぁー!」
手をつないで、仲よくゴールインする表情が印象的です。
運動会の和やかな雰囲気が見事に表現されています
京都新聞賞
「大逆転」 田中 雅之
右京区の大原野神社では毎年9月に御田刈祭(みたかりさい)があり、神相撲が行われます。
これは神事後の個人戦や団体戦での一コマでしょうか。
二人の力士の力の入った瞬間をよく捉えていますし、最近では少なくなった地域での相撲大会の雰囲気をよく伝えています。見守る人たちの表情がいま少し見られればより効果的だったと思われます。
KBS京都賞
「ウェーブ・リップ・ターン」 德本 晃一
大波に乗るサーフィンボード。激しい緊張の瞬間にもかかわらず、モノトーンと画面が単純化されている為か、どこか静かな絵画作品の印象さえ受けます。
レイアウトが実にたくみで、波のトップを画面中央に配し、絶妙の位置にイエローのボードが突き出ており、これが強く印象付けられます。
サーファーと力のこもったパドルさばきが全体をぐっと引き締め静と動がシンクロするイメージ性高い作品となりました。
朝日新聞社賞
「凛々しく」 西 正幸
道場での練習風景。激しく打ち合う猛々しさはありませんが、光の使い方が巧みで防具を通して見える表情が実に美しく剣道の持つ精神性を端的に表しているように見えます。
打ち合う背景の竹刀をうまくぼかし雰囲気を描き出すのも巧みで、モノクロの魅力、特に黒を充分生かしきっています。
エフエム京都賞
「風になる」 堀出 明広
スポーツ写真ではいかに動感を表すかが大きなポイントになります。
高速シャッターを使い表情や情景の瞬間を固定化することが多いのですが、この作品は反対にスローシャッターで被写体を追従し、流し撮りの手法で動感を表しました。
選手のそれぞれの動きの特徴をとてもうまくつかみ、面白く表現しています。
客席も効果のある空間になり、又、敬遠されがちな画面の傾きを逆手にとり動感をさらに増す巧みさも持っています。
京都サンガF.C.賞
「サッカー練習、燃えてます」 陳 智美
ボールを一生懸命に追いかける子供たちとコーチのふれあいが微笑ましいサッカー練習風景。ほのぼのとした雰囲気がよく出てとても良いと感じました。
京都ハンナリーズ賞
「譲れない1勝」 磯部 貴志
競技者の躍動感が見る側に強く印象に残る作品である。
プレーヤーが精一杯シュートするプレーに思わず応援したくなる素敵なワンショットです。
バスケットボールのスピード、力強さをこれからも多くの方々に伝えていってもらいたいと思いました。
京都フローラ賞
「渾身の一投」 本上 晋士
気迫溢れる投球の姿が現れる1枚。
今年は女王三連覇がかかるシーズン。
この迫力ある写真のような投球で勝利を掴み、ファンとの喜びを分かちあって欲しい。
渾身のストレートを投げ込んでいる一生懸命さがとても伝わってくる一枚です。
ミズノ賞
「二人の力走」 瀧本 正史
若い選手が記録を塗り替えるニュースは我々を元気にしてくれますし、高齢者が記録を更新してゆく姿はより希望と勇気を与えてくれます。
話題の宮崎さんは間違いなく我が京都が誇る世界のスーパースターです。
この作品は同年配と思われる方とともに軽やかに走るシーンを良いタイミングで画面いっぱいにとらえたストレートな表現が素直で楽しく好感がもてます。
京都市体育協会特別賞
「オレにまかせろ」 稲木 茂忠
大変ユーモラスな表情の中に、走ることの楽しさ、そして仲間との触れ合いなど、スポーツから生まれる人の温かさや優しさをこの写真は見せてくれます。またカメラに向かって走ってくる被写体を望遠レンズで捉えた撮影技術は秀逸でした。
京都市体育協会特別賞
「前へ」 内山 憲作
背番号が見えないほど土まみれの汚れたジャージと、山桜と山吹のカラフルな美しい背景が対称的で面白く、春らしいスポーツ写真になりました。またプレーもラグビーの良いシーンを捉えています。背景にあるサッカーゴールをトリミングで少しカットするなど仕上げに工夫がほしいところです。
京都市体育協会特別賞
「新緑を背にして」 王鞍 謙一
神社境内(長岡天満宮)での剣道の稽古風景。春うららかな日差しが眩しく、参道に剣士をシンメトリーに配置して縦位置で撮影したこの写真は、多少の演出さも感じられますが、凛とした美しさはその思いを越えています。
京都市体育協会特別賞
「スリルを楽しむ」 河野 實
みんなが揃ってオールを上げているシーンが印象的で、それぞれの笑顔からスリルの楽しさが伝わってくるようです。逆光ぎみでしたが、水飛沫がレフ板代りとなり、生き生きとした表情が出せました。
京都市体育協会特別賞
「駆け出す」 椿原 進也
駅伝のポスターに使えるような写真です。鴨川河川敷を走る駅伝ランナーと、走るコースのイメージ、鴨川の風景、季節感などを縦位置の構図でまとめ上げたセンスの良さが光ります。
京都市体育協会特別賞
「騎馬戦」 深井 征子
騎馬戦でのワンシーン、帽子を争奪する一瞬の出来事を素晴らしいタイミングで捉えています。双方の顔や手の動きもさることながら、馬となっている人物の表情もそれぞれに違い、大変面白い写真となりました。
京都市体育協会特別賞
「160kmの旅路の終わり」 堀川 敏彦
山岳地を100マイル(160km)、一昼夜以上走り続けるという過酷なレースを終えた達成感や疲労感、そして家族の応援、支え、いろいろな感情が交じりあったレース後の一コマを、夜の照明の中に後ろ姿で表現した作者の感性に拍手を送ります。
京都市体育協会特別賞
「一刀入魂」 森口 政一
居合道の基本である素振りの稽古を上手く表現しています。特に一番手前の女性剣士の姿勢の良さと、並んだ刀の動きに目を奪われます。模擬刀とはいえ、光るその刃先からは稽古にかける真剣さが滲み出ています。
京都市体育協会特別賞
「突破するぞ!」 文字 友美子
小学生のタグラグビーと思われますが、ボールを持って走るその真剣なまなざしとプレースタイルが大人顔負けで、見るものを惹きつけます。撮影ポジションも光線状態を考えて位置取りしているなど、スポーツ写真の見本のようです。カメラの高さがもう少し低ければより迫力のあるシーンが撮れました。
京都市体育協会特別賞
「激流」 山下 文行
何といってもシャッターチャンスが素晴らしい。人の表情、水しぶきのブレ具合も、この場の状況を上手く表現できています。作者がこのシーンを予想して撮っていたとしたら狙いは成功でしょう。惜しむらくは、もう少し広角のレンズであれば最高でした。