公益財団法人 京都体育協会

第8回京都スポーツ写真コンクール入選作品の決定について

京都市体育協会では、京都のスポーツに関する写真を広く市民から公募することにより、身近なスポーツへの関心を高めるとともに、「みるスポーツ」としての楽しさを伝え、スポーツの普及・振興に寄与することを目的として、「京都スポーツ写真コンクール」を開催しています。

 

今回で8回目となった当コンクールでは、2月上旬に行われた選考委員会での選考を経て、下記のとおり入選作品及び入選者を決定いたしました。

 

▶第8回京都スポーツ写真コンクールについて

 

募集期間

平成29年11月1日(水)~平成30年1月31日(水)

応募作品総数 431点
表彰式 日時:平成30年3月10日(土) 10:30~11:00
場所:京都市市民スポーツ会館 会議室
入選作品展 期間:平成30年3月9日(金)~平成30年3月31日(土)
場所:京都市市民スポーツ会館 1階ロビー
受賞者一覧 こちらからご覧ください。

 

総評

 

スポーツ写真と一言でいってもいろいろな視点・角度から撮ることができ、競技種目も多岐にわたっていて、その作品バリエーションは数多くあります。しかしながら今回の審査では特定の競技種目に作品が集中する傾向がありました。やはり同じ種目に多くの作品が集まれば審査においても選択が難しい場合も出てきます。また中には同じようなシーンを数枚まとめて応募されている方もありましたが、ご自身で選ぶ眼も必要だと考えます。いずれにしても自身のこれまでの撮影への視点や意識を少し変えることで、また違った作品が生まれてくるでしょう。

今回の作品の中でもシンクロ・弓道・なぎなた・ハンドボールなどはこの違いが賞に繋がっていたと思います。 2020東京オリパラまで2年半程になりました。平昌オリンピックでも日本選手の活躍が大きく報道されている中、これからもスポーツ写真はますます私たちの身近な被写体になっていきます。「する人、みる人、ささえる人」をベースに、マイナースポーツや障害者スポーツなどにもカメラを向けて欲しいと思います。

 

第8回京都スポーツ写真コンクール
選考委員長 宮野 正喜

 

入選作品

京都市長賞

「若い力」 塩見 芳隆

 

シンクロは女子のイメージですが、この作品の主役は男子。演技をする選手のポーズはバラバラですが、シンメトリーなイメージにカラフルな色彩、そしてダイナミックな動きと、いろいろな要素が不思議とマッチして大変印象深い写真になっています。日差しも真夏らしく、飛び散っている水しぶきがその暑さを一段と引き立てています。また選手の後方に配した画面構成も素晴しく、演技を見ている観客の表情にもそれぞれに変化があって、緊張感のあるシーンに和やかさも見えました。

 

 

京都市体育協会会長賞

「よーい ドン!」 山田 修一

 

幼稚園児4人それぞれの表情と園児らしい走る足の対比がこの写真の魅力です。またリレーのバトンを持ちながら鉢巻きをして一生懸命走る姿が、微笑ましくユーモラスですが、大人顔負けの真剣さに思わず「ガンバレ」と声をかけたくなります。子供の身長に合わせ低いカメラポジションから狙ったことが良かったと思います。

 

京都市教育委員会 教育長賞

「戦い」 高島 幸夫

 

空手の試合中、シャッターチャンスを逃さず一瞬の表情を捉えたカメラワークが光ります。子供とは思えない迫力ある顔、立ち姿勢も決まっていて、思わず凝視してしまいました。またこの選手は将来素晴しい空手の達人になるような予感をさせる雰囲気も出ています。

 

京都市体育振興会連合会 会長賞

「パンよ動かないで」 古村 清

 

競争なので急がないと!という気持ちがよく表れています。必死にくらいつく人、隣に遠慮している人、いずれも正に「パンよ動かないで」という作品です。

 

京都新聞賞

「激しい攻防」 小巻 真司

 

この年度で名前が消える伏見工ラグビー、その伝統を背負って戦う選手の意気込みが伝わってきます。作者はこの一戦に何とかその戦い振りをカメラに収めたかったのでしょう。ジャージにある校名、ボール、そしてタックルシーンと狙い通りの仕上がりです。

 

KBS京都賞

「真善美」 山副 和美

 

スポーツ写真の多くが選手のアップを狙う中、敢えて広角レンズを使い画面隅々までピントを合わせ、会場全体を撮って弓道の美しさ・厳しさを表現したところに作者の制作意図が読み取れます。狙い通りの凛とした雰囲気が画面全体に溢れ、モノクロ表現がその思いを高めています。タイトルがちょっと難しいですね(笑)。

 

朝日新聞社賞

「リーグ戦!!」 田口 久美子

 

何気ない試合中のコーナーキックシーンではありますが、周りに選手がいないことや、やや赤みを帯びた夕陽の日差しが、少年のサッカーに賭けるひたむきな思いといったイメージを作りだしました。多分、ボールを蹴った瞬間を撮りたかったのだと思いますが、いろいろな幸運にめぐまれました。

 

エフエム京都賞

「ネクストターゲット」 森 たいぞー

 

乗馬のポスターに使えるほど完成度の高い写真です。特に馬のたてがみを引き立たせる光線状態を意識したカメラポジションは秀逸で、モデルの表情もタイトル通り次のターゲットを見据えている目線が印象的です。手慣れたカメラワークが見て取れます。

 

京都サンガF.C.賞

「いつかは、僕も…」 岩田 康孝

 

家族でサッカー観戦に来た休日のひとこま。子どもの目線に立ったやさしさが感じられます。また「子どもの将来を楽しみに見守りたい」という家族のあたたかさまでも伝わってくる作品だと思います。

 

京都ハンナリーズ賞

「バスケットボール初体験」 堀 祐子

 

バスケットボールの語源である「バスケットにボールを入れる競技」を強く印象つけるに相応しい作品です。バスケットボールに触れ、スポーツの素晴らしさを体感し、将来、バスケットプレイヤーを目指してもらいたいものです。

 

京都フローラ賞

「笑顔の花を咲かせた、サヨナラヒット。」 倉橋 健

 

2017年5月25日の試合と見受けられますが、対埼玉アストライア戦でのサヨナラ勝利の瞬間を捉えた一枚。シーズン中、なかなか個人としての成績を残せていなかった岩田きく選手の、見事なサヨナラタイムリーで勝利を掴み取りました。チームがひとつになって勝利を喜ぶ姿を、撮影された作者も共に喜んでいただいている様子が伝わってきました。

 

京都市体育協会特別賞

「ママ、見ててね」 飯田 祐子

 

運動会の一コマ、マスゲームのはじまる前、ママから声をかけられ、思わず振り向いた笑顔が素敵で印象に残るシーンです。狙っていた訳ではないと思いますが、レンズの選択が良かったのか、ピントが合った前後のボケ具合がこの表情を引き立てています。

 

京都市体育協会特別賞

「舞うが如く」 今西 唯夫

 

なぎなたの試合を演舞のように画面を切り取り、周りを暗く印画紙を焼き込むようにして作品に仕上げたセンスと撮影技術は素晴しいと思います。また主役の女性の表情が凛々しく、美しく、立ち姿はまさに「舞うが如く」です。

 

京都市体育協会特別賞

「夏休みハンドボール練習 ひと時の幸福」 大辻 心愛

 

女子中学生でしょうか、体育館で暑い中練習したあと、多分昼食後の昼寝の時間、みんな相当疲れていて熟睡中です。観客スタンドからこの光景を見たとき、一列に並んでいるそれぞれの寝相がユーモラスで面白いと作者はひらめいたと思います。プレー以外の場面でこのシーンを見つけた作者の視点は素晴らしい。

 

京都市体育協会特別賞

「ジャンプ!!」 小池 伸治

 

マスゲームのワンシーンでしょうか、ジャンプがバラバラで全員が揃っていないのでシャッターチャンスを待っていたと思います。運よく飛び跳ねている子供のおなかが出ているユーモラスなカットが撮れました。後はトリミングするなど構図を整えるための工夫がほしいですね。

 

京都市体育協会特別賞

「まさかの優勝」 駒井 めぐみ

 

最高の瞬間が撮れました。この少し前でもこの後でも、この表情とこの動きは撮れなかったでしょう。いろいろな映像表現の中で、写真の良さはシャッターチャンスを生かせば素晴しい作品が得られることです。一瞬を切り撮る、この写真はまさにその典型です。

 

京都市体育協会特別賞

「世界への挑戦(ラクロス米国チーム初来日)」 田中 秀具

 

大変レベルの高いスポーツ写真です。カメラポジション、レンズの選択、プレーヤーの動き、全てにおいて欠点がありません。ただプレーシーンがある意味フツーという点でインパクトに欠けます。ラクロスを知り尽くしたカメラマンだけに次のステップへの試練です。

 

京都市体育協会特別賞

「たっちだうん!」 田中 雅之

 

アメフトの練習中に紛れ込み、ボールを持って選手の真似をしようとママに見せている女の子といったところでしょうか。ボールの大きさと一丁前に持って走る仕草が可愛らしいですね。一瞬の出来事だったのでカメラが傾いていましたが、そのままにしたことでその場の雰囲気が出て良かったと思います。

 

京都市体育協会特別賞

「頂点を目指せ」 德本 晃一

 

サーフィンの撮影は、サーファーの動きが早い上に、波の形は自然まかせのため、良いシーンはなかなか簡単には撮れません。AFの望遠レンズで、おそらく一脚か手持ちでの撮影と思いますが、波とサーファーの動きが最も良いタイミングでシンクロした瞬間をうまく捉える事が出来ました。

 

京都市体育協会特別賞

「駆ける」 西 正幸

 

毎年5月5日に上賀茂神社で行われる競馬神事。スポーツ写真を広義に捉え、この神事をテーマに応募された作者の柔軟な思考に賛辞を送ります。その構想が見事に表現されました。新緑に包まれた五月晴れの境内、それを見物する人々、何よりも疾走する2頭の白馬を、狙った構図で撮影した高いカメラ技術に感心します。

 

京都市体育協会特別賞

「雨」 吉田 史生

 

モータースポーツの華、オートバイが疾走する定番シーンですが、雨の条件が悪い中、大変良く撮れています。レンズの選択、撮影ボジション、シャッター速度、絞り値、トリミングなど全てに於いてプロレベルで、申し分ありません。

 

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