2020年度スポーツ講座「弓道講座」
2020年度スポーツ講座
「弓道講座」 ~日本の武道にふれる~
普段間近で見る機会の少ない「弓道」に焦点を当て、歴史やルール、競技用具の説明等、弓道の魅力や心得、礼儀作法などを弓道場内で講義します。また、競技者の迫力のある実演を間近で見学いただき弓道の奥深さを知っていただきます。
2020年度スポーツ講座「弓道講座」は
終了いたしました。
ご参加いただきました皆様ありがとうございました。
当日ご質問いただきました内容を回答します。
Q 甲矢・乙矢の呼称についていつ頃から言われていたのか
A 平安時代の末期につくられたとされる「年中行事絵巻」には弓を引く射手が、取り矢(乙矢を右手の薬指・小指で挟んで保持すること)をして、弓で甲矢を引く様子が描かれています。また10世紀後半の「うつほ物語」には乙箭(おとや)という記述が見られます。その為、遅くとも平安時代の中期には甲矢・乙矢という呼称が用いられていたものと推測されます。
「弓道教歌 十七選」
射法八節
(1)足踏み
踏(ふ)み開(ひら)く 広(ひろ)さ狭(せま)さの足間(あしあい)は 己(おの)が
矢束(やつか)の 程(ほど)にしたがえ
(2)胴造り
胴(どう)の伏(ふ)す 射手(いて)に数多(あまた)の 難(なん)ぞある 胸尻(むねしり)
出(い)でて 顔(かお)は反(そ)りけり
(3)弓構え
手(て)の内(うち)は 物(もの)をおっとる 心(こころ)にて 大指(おおゆび)あけず
柔(やわ)らかにとれ
大石(たいせき)を 抱(いだ)く心(こころ)を 忘(わす)るるな 居向(ゐむ)きに向(む)
けよ 肘口(ひじぐち)をはれ
(4)打ち越し
風(かぜ)もなく 空(そら)に煙(けむり)の 立(た)ちのぼる 心(こころ)の如(ごと)く うちあげよかし
(5)引分け
いか程(ほど)も 剛(つよ)きを好(この)め 押(お)す力(ちから) 引(ひ)くに心
(こころ)の 有(あ)りとおもへよ
打(う)ち起(おこ)し 引(ひ)くに従(したが)ひ 心(こころ)せよ 弓(ゆみ)に押(お)
さるな 思(おも)へ剛弱(ごうじゃく)
(6)会
持満(たもち)とは 矢束(やづか)一杯(いっぱい) 引(ひ)き詰(つ)めて 離(はな)れ際 (ぎわ)まで 息(いき)にさはらじ
剛(ごう)は父(ちち) 繋(かけ)は母(はは)なり 矢(や)は子(こ)なり 片思(かたお も)いして 子(こ)は育(そだ)つまじ
(7)離れ
仲合(のびあ)ひて 胸(むね)の張(は)り切(き)る 射手(いて)はただ 見(み)ても吉野 (よしの)の 朝嵐(あさあらし)なり
朝嵐(あさあらし) 見(み)にはしむなり 松風(まつかぜ)の 目(め)には見(み)えねど
音(おと)のさやけき
(8)残心
射放(いはな)ちて 肘(ひじ)に残(のこ)せる 心(こころ)こそ 跡(あと)の澄(す)
ましの その一(ひと)つなれ
稽古~弓道の目標
〇常々(つねづね)の 稽古(けいこ)をしめて する人(ひと)は 晴(は)れなるときも 心
(こころ)まどはず
〇稽古(けいこ)には 百矢(ももや)射(い)んより 四(よ)つ五(いつ)つ 習(なら)ひを
専(せん)と 射(い)るぞまされる
〇見所(みどころ)の なきこそ 弓(ゆみ)の上手(じょうず)なれ これ六根(ろっこん)の
揃(そろ)ふゆゑなり
〇人(ひと)の弟子(でし) かまひて弓(ゆみ)を そしるなよ 其(そ)のひとごとに 心(
こころ)あるべし
〇不器用(ぶきよう)と 人(ひと)は言(い)えども 稽古(けいこ)せよ 弓(ゆみ)の道(みち)
とは 射(い)るばかりかは
出典 池沢 幹彦「弓道教室講和」(東北大学出版会 平成27年8月)
※(注)数字は弓道の射法八節に対応しており、歌のナンバリングをしている訳ではありません。
●内容
①弓道の歴史
②弓道の魅力や心得・礼儀作法等
③競技用具について
④種目とルールについて
⑤観戦のポイント
⑥競技者による実演見学
⑦質疑応答
講師
講師 赤松 弘次郎 先生 (京都市弓道協会 会長) 詳細
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