第3回 スポーツ写真コンクール結果発表
募集期間 | 平成24年7月2日(月)~9月14日(金) |
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応募作品総数 | 162枚 |
表彰式 | 平成24年10月8日(月・祝) 西京極総合運動公園(第9回みんなのスポーツフェスタ内) |
展示期間 | 平成24年10月8日(月・祝)~12月28日(金) 京都市市民スポーツ会館1階ロビー |
講評 : 委員長 神崎順一
以前にもましてスポーツが身近になったような気がする2012年。
恒例の競技に加え、オリンピックやパラリンピックで感動し、京都市民参加型マラソンでは市内各所で友人知人を熱く応援しました。
そのためか過去2回の応募より競技種目が多彩になったのが今回の特徴です。
表現内容では競技のピークを狙ったものばかりか、その前後に目を向けたもの、アングルや光を効果的に生かしドラマチックに表現したもの、日常生活の中から見つけ出したほほえましい一コマなどがあり、回を重ねるごとにスポーツに対する見方が深まり内容に厚みが出てきたように感じました。
スポーツ写真の良さはテーマが広く、ほんの身近なところにもモチーフを見つけ出すことができます。
写真愛好家だけでなく、小さなカメラで我が子の姿を追うお父さん、お母さんにも等しくチャンスがあるのが楽しいのです。
素敵なスポーツ写真の共有は周りの人まで心身とも健康にしてくれるような気がしてなりません。多くの応募作品に接した審査員一同の感想です。
入賞作品
京都市長賞
「最高!」 生田 瑞季
野球に限らず球技の写真はボールと共にが、ルールのように考えられているが、実はフィールドのいろいろなところでそれぞれのドラマがある。
握りしめたこぶし、勝利の喜びを体全体で表わしている捕手にスポットをあて、球場全体の興奮を想像させた作者のカメラアイを評価したい。
京都市体育協会会長賞
「隙あり」 西 謙造
道場での一コマだろうか。
暗いステージの中で、まるで二人の役者が演技している、と思われるほど写真自体は隙がない。
シャッターチャンス、構図、光の扱いいずれをとっても完成度の高い作品で、品格を感じ、作者の力量が推測される。
京都市体育振興会連合会会長賞
「どっちが勝ったの?」 西 正幸
力が拮抗していたのだろうか、
一生懸命取り組み、倒れこんだ後の微妙な勝敗の行方を伺う二人の表情がよく捉えられている。
無駄のないフレーミングそしてアングルが実によい。
京都市教育委員会教育長賞
「また、やったぜ」 湯浅 登代丸
大文字駅伝のゴールシーン。
テープを切る瞬間をよいタイミングで捉えている。
さわやかな選手の表情だけでなく見つめる補助員や背景とのバランスもよく、傾いた画面も動感表現の一助になっている。
京都サンガF.C.賞
「ねらいをさだめて」 南井 さつき
ゴールを目指してドリブルで駆け込む少年、横でそれを防ごうとする少年。
みんな一生懸命なのだがどこかほほえましいのがジュニアサッカー。
そんな雰囲気がよく出ていて、ボールをける足の表情もとても良い。
京都ハンナリーズ賞
「スーパードリブル」 高木 一成
床を背景にしたアングルの選択がよかった。ボールを絡めた二人の選手の動きが無駄なく力強く表現され、その後のシュートシーンを予感させられる。
京都アストドリームス賞
「感動・ありがとう~」 平田 良夫
凱旋試合のセレモニーだろうか。
花束やマスコットも交え華やかで感動的なシーンが写されている。
選手が海外で活躍する機会が増え我々はいつも多くの勇気をもらっている。
そんな作者の気持ちがネット裏から伝わってくる。
京都新聞社賞
「タッチアウト!」 中島 良彰
少し郊外にある学校のグラウンドでの野球大会だろうか。
一般的に,写真の表現では要素が多いと説明的で迫力に欠ける場合が多い。
しかしこの作品は,状況描写を取り入れながらも手前の三人三様をうまく織り込んでいる。
真剣な当人たちには悪いがユーモラスな一面も感じ、撮れそうで撮れないシーンをうまくまとめている。
KBS京都賞
「人生いろいろ高いハードルを越えていかなければならない」
藤田 春樹
空に抜ける少し低めのアングルがのびやかで力強い。騎手と馬の一体感が素晴らしく、ここ一番のチャンスをものにしている。
京都市体育協会特別賞
「惜敗」 三谷 末男
惜しくも希望どうりに行かなかったのだろう。
フェンスに持たれ涙する選手と慰める手。
その情景をうまくまとめている。勝者にスポットをあてがちだが敗者に目を向けた姿勢がよい作品を生んだ。
京都市体育協会特別賞
「誰か早く!このボールを…」 小巻 真司
無駄を一切省いた大胆なフレーミングで、
激しいプレーの一コマを切り取りダイナミックな画面を作り出している。
偶然とは言えブルーとピンクのバランスが絶妙だ。
スポーツ写真の醍醐味を味わえる作品。
京都市体育協会特別賞
「ガンバレゴールまで」 谷口 敏子
子どもを撮るときは子どもの目線がとても良い。
これもしゃがみこんで走る幼児を間近で撮ったので迫力ある写真になった。
足の運びを、複数美しく撮るのは難しいがとても良いチャンスをとらえている。
後ろで見守る父兄の姿が画面を盛り上げている。
京都市体育協会特別賞
「お見事、7段ピラミッド」 吉原 泰弘
喧噪のなかで適格に冷静にカメラを向けることはなかなか難しいものだが、
この作者はそれをうまくクリアしている。
頂点に立つ誇らしげな表情、支えるそれぞれの姿と表情、
心配げな先生、背景の生徒たち、住宅街の雰囲気。
複雑になりがちな要素を競技と同じくうまくバランスを取っている。
京都市体育協会特別賞
「夏のサッカー練習」 陳 智美
まさに子どもは遊びの天才だ。公園の水辺で無心に水を相手にサッカー練習。
夏の午後日差しの中,蝉の泣き声だけが聞こえるそんな風景が浮かんでくる。
シャッターチャンスもよいが,縦位置でさらりと情景描写するなどなかなか手ごわい。
京都市体育協会特別賞
「闘士」 小林 政浩
この表情、この表情に魅かれる。鍛えられた体が今まさに飛びこもうとしている。
これから始まる激しい戦い。そんな情景をこの一枚で見事に表現している。
京都市体育協会特別賞
「愛犬と一緒」 塩見 芳隆
パドルを操り激流に挑むカヌー、なら緊張感あふれる瞬間なのだが、ライフジャケットを付けた大型犬と一緒だと何かユーモラスな風景に映る。
犬好きには実にほほえましいシーン。
激流の中でのミスマッチ?がこの作品の魅力だ。
京都市体育協会特別賞
「攻防」 神内 宏輝
少年サッカーのゲームの一シーンだろうか。
複数の選手の絡む場合、動感とともに周りの選手がどれだけ中心となる選手を盛り立ててくれるように撮るかが決め手になる。この作品はその条件をうまく満たしている。
京都市体育協会特別賞
「僕も泳げたよ、初めての水泳!」 北村 和美
スポーツは、ことの大小にかかわらずしんどいを乗り越えた達成感が何よりも楽しい。
これはこの子にしても同じこと。
小さなプールで初めて泳ぐことができた喜びを、付添いの母親にサインを送っているのだろう。その時がストレートに表現されていて好感がもてる。
京都市体育協会特別賞
「キメ!」 伏塚 浩明
幼児の運動会だろう。
競技での勝利宣言だろうか。はたまた、なかなかできなかった演技をうまくこなした、そのやった!だろうか。
幼児の力いっぱいの表情、それをたたえる保母さんたちをうまくまとめている。
ほのぼのとした作品だ。
京都市体育協会特別賞
「アンカー勝負」 植木 康夫
少し見えるオレンジは迫りくる走者か。最後の力を振り絞ってバトンを渡そうとしている力を出し切った顔、あとは任せろの顔、この両者の表情の対比がとても良い。
表情を狙えるポジション選びでまず成功した。