生き生きとした日々の源は「早寝、早起き、朝ご飯、それに、私はグラウンドゴルフでしょうか」。94歳の森井澄代さんは、まるで問わず語りのようにスラスラと話してくれた。
3人の子育てをやり遂げ、趣味は水墨画、書道、短歌など”文化系”だった森井さん。80歳ぐらいのとき、地元、音羽学区の老人会で、誘われるままにグラウンドゴルフを始めた。現在は、グラウンドゴルフ、ゲートボール、ペタンク、ボウリングの愛好者がつくる「京都山科スポーツ連合(KYSU)」に入っている。
「グラウンドゴルフは個人成績だから気楽に楽しめるし、私でもたまにホールインワンができましてね。みなさんから、拍手をもらえるの」と森井さん。時には、ペタンクもやってみる。
毎週火曜日、山科中央公園で開催されるスポーツ連合のグラウンドゴルフ例会に顔を出す。すっかり常連さんで、140人ほどいる仲間の中では最年長といい、「(メンバーの)みなさんが、私が目標だなんて言ってくださる」。そんな森井さんだが、2年前には病気で10日間の入院を経験した。「早くグラウンドゴルフをしたい」という意欲が何よりの薬だった。
退院後、「少し体の動きが不白由で……。自分では、グラウンドゴルフがリハビリだと思っています。それでも、公園で皆さんと楽しんだ後は、ご飯がすごく美味しくてね」。打球を目で追う森井さんの姿は、どこか、凛々(りり)しささえ漂っているように見える。

井上 年央(いのうえ としお)
スポーツライター
元京都新聞社運動部長