平安神宮の北西側に立地する武道センター旧武徳殿は、長年、武道系の大会会場となっており、国際競技大会等も開催されるなど、京都市を代表する武道施設である。
1899年(明治32年)に平安遷都1100年を記念し「大日本武徳会」によって造営された日本最古の演武場であり、後年、武道専門学校が併設されるなど、日本武道の聖地として活用されていたが、第二次世界大戦後にはアメリカ軍に接収され、専門学校は閉校。接収解除後は長らく本来の機能を失っていた。
その後、全日本剣道連盟・京都府剣道連盟の働きかけにより、1987年(昭和62年)に修復工事が完工した。伝統的な木造建築としても、非常に貴重な歴史的建造物であり、1996年(平成8年)には国の重要文化財にも指定されている。

京都市武道センター 旧武徳殿の歴史
- 1899年(明治32年)大日本武徳会により造営
- 1905年(明治38年)武術教員養成所(後の武道専門学校)を設立
- 1946年(昭和21年)大日本武徳会解散後、併せて武道専門学校も閉校。その後、アメリカ軍に接収
- 1951年(昭和26年)接収解除。以降、京都市の所有となり、翌年京都市警察学校を開設
- 1956年(昭和31年)京都市警察学校閉校。その後京都市立芸術大学音楽学部の学校施設として利用される
- 1980年(昭和55年)武徳殿の保存が決定
- 1983年(昭和58年)京都市指定有形文化財(建造物)に指定される
- 1987年(昭和62年)修復工事完工
- 1996年(平成8年)国の重要文化財に指定される
武徳殿南門

武道センター南側に位置する武徳殿南門。幕末期に京都の治安維持を務めた京都守護職の御用屋敷門であったが、1867年(慶応3年)の大政奉還に伴い廃止。その後御用屋敷は取り壊されたが、御用屋敷門は武徳殿の南側へ移築され、今なおその姿を残している。