【陸上競技アナウンサー】京都陸上競技協会 広報・情報処理部 西田 俊博さん|縁の下の力持ちをたずねて

京都陸上競技協会 広報・情報処理部 西田 俊博さん

陸上競技大会の運営、進行をスムーズにし、観戦の楽しさ、応援の盛り上げなどを演出するのが、場内放送の大切な役割だ。“この道”35年の西田俊博さんは、京都陸上競技協会の“アナウンサー”約20人の中で最年長になった。

立命館の中学、高校、大学を通して陸上部に所属。卒業後は母校の教員になった。あるとき、陸上大会のアナウンスに誘われ、徐々に、腕ならぬ喉を磨いた。大舞台の全国都道府県対抗女子駅伝は第7回大会から担当。今年1月16日の第40回大会も、レース発着点のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)に陣取ってマイクに向かった。スタンドはコロナ禍対策で無観客。それでも、47都道府県の選手たちやチーム関係者に「来年も京都で走ってください」の思いを込めて、チームの最高順位やタイム、アンカーのエピソードなどを紹介した。

2021年度は、約25日間大会の放送を担当した。トラック種目やフィールド種目の全体に目配りしながら、フィールドで新記録が出そうな時は、観衆が注目し、声援を送るようなアナウンスで盛り上げる。「丁寧な言葉づかいを心掛け、どんな情報を、どのタイミングで出すか」に気を配る。「中学生の大会では、選手たちが陸上競技に一層、興味を持ってもらえるように」と、指導的なアナウンスもする。「マスターズ大会は、年齢的にも近く、選手は親しみをもって聞いてくれているようです」と、楽しそう。

2年後には「古希」を迎えるが、競技アナウンサーに定年はなく、マイクを友にひた走る日々が続く。

井上 年央(いのうえ としお)
スポーツライター
元京都新聞社運動部長

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