Tリーグ最年少選手|京都カグヤライズ 松島美空選手

長引く“コロナ禍”に、 スポーツ界もさまざまな影響を受けているなか、京都のジュニアアスリートたちは決して挑戦を諦めず、絶え間なく努力し、自分達の力を信じている。その活躍ぶりを紹介しよう。

卓球一家の『申し子』日本のホープへ

卓球のTリーグに今季、女子の「京都カグヤライズ」が新加入した。国内トップ級や、五輪メダリストの外国人選手と一緒に登録されたのが、京都市伏見区の田阪卓球会館で2歳から卓球を始めた小学3年生、松島美空(みく)選手だ。

両親の松島卓司さん、由美さん(旧姓田阪)は、ともに全日本実業団で優勝経験があり、田阪卓球会館の指導者でもある。“卓球の田阪一家”といえば、全国的にも知られた存在。松島夫妻の二男二女とも卓球のいわば英才教育を受けている。長女の美空選手(竹田小学校3年生)は卓球のラリーの音を子守歌に育った。

サウスポーで前陣速攻型の美空選手は、動体視力、反射神経とも高い能力が要求される。今年は、1月の東アジアホープス大会で史上最年少の日本代表に選出。そして3月の京都ジュニア選手権では、高校2年生以下の選手に混じって優勝。その後、京都カグヤライズ入りし、7月には小学生日本一を決める全農杯全日本選手権のカブ(小学4年生以下)で優勝した。「私より、1つ学年が上の選手がいたので、厳しかった」と言いながらも、笑顔は消えない。この大会、昨年はバンビ(小学2年生以下)でも優勝しており、2連覇を果たした。

8月、Tリーグとしては初めての個人戦に出場し、24人が出場した女子トーナメントの1回戦で、20歳代の選手に敗れた。「大人と試合をしたことがあまりなかったので、ボールの威力がすごかった」と、屈託がない。

京都カグヤライズは、9月11日にシーズンイン。松島選手は、父の卓司さんをチームコーチに、Tリーグで一層の成長を目指す。「勝敗だけではなくて、諦めないプレーを経験したり、チームメイトから刺激をもらって、みなさんから応援してもらえる選手に……」と、一心に前を向く。松島夫妻の長男の輝空(そら)選手が、すでにTリーグの木下マイスター東京に所属しており、美空選手にとってもお兄ちゃんが良い目標だ。

京都カグヤライズ 松島美空選手

Tリーグ女子は、6チームが参戦し、対戦はダブルス1試合とシングルス3試合。2勝2敗になった場合は、5試合目をシングルスで行う。4回戦制で、1チームが20試合ずつ戦い、上位3チームがファイナルに進んで優勝を争う。京都カグヤライズのホームゲームは12月25日に向日市民体育館で、来年2月17日に島津アリーナ京都で予定されている。

カグヤライズの小さなユニホームが、よく似合う少女のプレーから目が離せない。

田阪卓球会館
〒612-8419
京都市伏見区竹田北三抗町73
電話・FAX:075-642-9558

井上 年央(いのうえ としお)
スポーツライター
元京都新聞社運動部長

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